▼概要
英文契約書の実務においては、交渉の経緯や相手方との力関係等により、相手方作成の契約書案をベースに交渉せざる得ないケースが珍しくありません。
このようなケースにおいては、相手方作成の契約書案に隠された様々な問題点を的確に見抜いた上で、最小限の修正でそれを解消する技術が求められ、自社で契約書案を作成するケースとは異なった難しさがあります。
そこで、本セミナーでは、英文契約書の実務に携わる方がこのようなケースへの対応力を向上させるため、講師が最近相談を受けた数十件の英文契約書から抽出した修正前・修正後の条項例(ただし社名等は変更)を用いて、 契約類型別のレビューのポイントを解説します。
なお、本セミナーは、英文契約書の基礎知識をお持ちの方を主に想定しており、実戦的なノウハウの解説にフォーカスします。
▼カリキュラム
I. 英文契約書レビューの一般的ルールと修正実例
1. はじめに
(1) 英文契約書交渉の理想(自社作成の契約書案に基づく交渉)と現実(相手方作成の契約書案をベースに交渉せざるを得ないケース)
(2) 相手方作成の契約書案のレビューの難しさ
2. レビューの一般的ルールと修正実例
(1) 必要な事項を網羅しているか
(2) 趣旨不明な条項や条項間の矛盾はないか
(3) 多義的・曖昧な条項はないか
(4) 相手方による恣意的な運用を許す条項はないか
(5) 他の文書を参照しないと権利義務が確定しない条項はないか
(6) 権利義務の内容は両当事者に平等か
(7) 実務上対応が困難な条項はないか
(8) 契約外の事業活動を不当に制約する条項はないか
3. 修正の方法
(1) 修正記録による修正と修正契約書の締結
(2) サンプル活用による修正案の作成
4. 修正交渉の技術(概略のみ)
II. 契約類型別 英文契約書レビューのポイントと修正実例
1. 秘密保持契約書
(1) 情報受領当事者の明確化
(2) 片務契約の双務契約化
(3) 秘密情報である旨の表示の要求
(4) 秘密情報の返還義務の例外
(5) 秘密保持義務の存続期間
(6) 訴訟と仲裁の選択
2. 取引基本契約書
(1) 注文書等での条件追加の禁止
(2) 売主の受注義務
(3) 売主が提出義務すべき通関書類等
(4) 貿易条件との不整合
(5) 所有権の移転時期
(6) 代金支払時期
(7) 検査・保証期間の起算点
(8) 売主の保証責任の範囲
(9) 売主の知財責任
(10) 売主の責任限定
(11) 不可抗力免責の対象
3. 販売代理店契約書
(1) 顧客からの返品の取扱い
(2) 独占権とその例外
(3) 代理店の販促義務
(4) 商標の許諾条件
(5) 契約終了時の措置
4. ライセンス契約書
(1) 独占権の明確化
(2) 使用権の登録
(3) 第三者の権利の侵害
(4) 第三者による権利侵害への対応
(5) 源泉徴収税の負担
日時 2021年04月02日 (金) 13:30~17:00
会場 〒102-0083 東京都千代田区麹町5-7-2 MFPR麹町ビル 2F
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