1.同一労働同一賃金とは
同一の労働に対して賃金を差別してはならないとする原則。同一の仕事(職種)に従事する労働者は皆、同一水準の賃金が支払わ
れるべきだという概念。
2.背景
2016通常国会 安倍首相の施政方針演説 一億総活躍、格差是正に向けて「同一労働同一賃金の実現」 を強調!!
(出典:日経新聞)
①基本方針は、「正規・非正規を問わず同じ企業に勤める職務が同じ労働者であれば同じ賃金に!」
②しかし、同一労働同一賃金改革は可能か?日本の職場の給与格差の現状は?
まずは、使用者側から見た山積みの問題点を拾ってみた。
中小企業は更に大変
(出典:東洋経済オンライン)
3.最近の裁判例
従来、正社員と非正規社員の賃金を揃えるのは個別企業の労使の問題であり、政府が介入する余地はそもそも少ないとされてきた。
裁判所も同一賃金同一労働でなくともよいとの判決を従来出してきた。学歴、勤続年数の違いだけではなく、正社員と非正規社員の待遇格差を違法ではないとの判決が相次いで出されてきた。
これでは、「同一労働不平等賃金」を許容してきた日本で「同一労働同一賃金」を実現するのは困難かと思いきや、施政方針演説を受けてか、今年になって裁判所も対応が変わり始めた。労働者からの提訴も増加しつつある。
新たなる提訴事事例 (出典:朝日新聞DIGITAL YAHOOニュース)
4.政府方針と政府ガイドライン
政府は、首相の施政方針演説を受け、労働契約法、パートタイム労働法、労働者派遣法三法を一括改正し、2019年の新法施行を目指す。
人材派遣業界ニュース
(出典:人材派遣業界ニュース 朝日新聞DIGITAL )
そして、当面、2016年内に、使用者側に求めるガイドラインの策定を図る。その概要が判明した。
同一労働同一賃金ガイドラインの骨子
(出典:毎日新聞)
5.法改正へ向けての課題等検討事項
公正労働省では同一労働同一賃金の実現に向け、専門家や各界の意見を聞きながら、活発に検討が始まっている。
2016年3月の発足した検討会は6月末で早くも6回を数える。以下会議毎の資料が動向を知るうえで大変参考になる。
労使共々目が離せない。
厚生労働省 同一労働同一賃金の実現に向けた検討会
(出典:厚生労働省 同一労働同一賃金の実現に向けた検討会)