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すかいらーくレストランツ、ガスト店内での迷惑動画に厳正対処の方針を発表

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ガスト店舗で迷惑動画

ガストをはじめとする外食チェーンを展開する「すかいらーくレストランツ」は、3月7日、SNS上に投稿された店舗での迷惑行為に関する動画について、厳正に対処する方針だと発表しました。 去年は大手回転寿司チェーンで相次いで迷惑動画が投稿・拡散され、その後、刑事裁判や民事裁判に発展した事案もあるなど、飲食店内での迷惑動画の撮影が後を絶ちません。
 
 

迷惑動画の内容とガスト側の対応

全国展開している人気ファミリーレストラン「ガスト」の店舗内で、男性2人が迷惑行為を行う様子が撮影された動画が3月5日、SNS上で拡散されました。動画では男性1人がもう1人の男性の口の中に、ガストが提供する調味料の容器をそのまま入れるなどの行為が映っていました。 ガストを運営する株式会社すかいらーくレストランツは、この動画の拡散を確認後、調査に乗り出し、撮影時期が昨年夏ごろであったこと、撮影された場所が茨城県日立市内の店舗であることを特定し公表しています。 すかいらーくレストランツは、被害店舗を特定するまでの期間、ガスト全店で卓上調味料を一時的に撤去していました。また、被害店舗の特定後には、被害店舗全席の卓上調味料容器を全て廃棄し、新しい調味料と容器に交換したといいます。 迷惑行為の当事者のうち、1名の関係者から電話で連絡があったそうですが、会社として厳正に対処する意向とのことです。
 

飲食店での迷惑動画撮影が相次ぐ

同様の迷惑動画は昨年も複数投稿され、大きな議論を呼びました。大手回転寿司チェーン店が相次いで被害にあった際には、「寿司テロ」などと呼ぶ人も現れたほどです。 中には、投稿の拡散が原因となって刑事事件に発展した事例、企業が迷惑動画の投稿者を提訴した事例なども見られました。

■くら寿司の事案 くら寿司株式会社が運営する回転寿司チェーン大手の「くら寿司」店内で、去年、しょうゆさしに直接口をつけ、飲んでいる様子などの動画がSNS上で拡散されていました。この動画を撮影し、投稿したとして21歳の男性が威力業務妨害などの疑いで逮捕されました。   その後の裁判で、裁判所は被告の男性に対して「安心して食事をしてもらおうという会社の努力を無にしかねないあまりに無分別な犯行だ」と指摘。その一方で、被告が反省の態度を示していたことなどを考慮し、執行猶予付きの有罪判決を言い渡しました。

■スシローの事案 また回転寿司チェーン大手「スシロー」の店内でも、去年1月に客がしょうゆさしをなめるなどの迷惑行為をした動画がSNS上に掲載されていました。この動画を巡って、スシローの運営会社である株式会社あきんどスシローは、迷惑客を相手取り約6,700万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地方裁判所に提起していました。しかし、去年7月31日付けで調停が成立したことで、あきんどスシロー側が訴えを取り下げています。

【参考リンク】 スシロー、迷惑動画の少年に6700万円の損害賠償請求訴訟(企業法務ナビ)
 

自社が迷惑動画の被害に遭ったら

急増する迷惑動画問題。仮にもし、自社の製品やサービスなどをめぐって迷惑動画が拡散された場合、企業はどのように対応すればよいのでしょうか? まず重要なのが、事実確認です。特に、SNS投稿の場合には、すぐには投稿者が特定できない場合があるため、発信者特定の手続きも視野に調査を行う必要があります。また、現場を中心に複数の関係者からヒアリングを行い、会社側に非があるのか否かなども含め、慎重に事態を把握する必要があります。そのうえで、以下のようなトピックを検討することになります。 ・店舗の備品が汚損されるなどした場合、清掃をどの範囲まで行うのか ・投稿の削除依頼を行うか否か ・警察に被害届を出すか否か ・投稿者への損害賠償請求を行うか否か(謝罪があれば手打ちとするか) いつ、誰の身に起こるかわからない、迷惑動画問題。一度炎上してしまうと、その拡散スピードは想像を超えたものとなります。“もしも”を想定した日ごろからの備えが重要になります。
 

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