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訪問買取で特定商取引法違反、消費者庁がエコプラスに6カ月の業務停止命令

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はじめに

消費者庁は12月24日、訪問購入(買取)を行う株式会社エコプラス(大阪市西区)とその代表に対して、特定商取引法違反があったとして、業務停止命令を含む行政処分を行ったと発表しました。
 

“契約締結しない”と言われるも勧誘続行

金、プラチナの貴金属、着物、時計、毛皮、衣服、切手などの買取事業を行っているエコプラス。消費者庁の発表などによりますと、エコプラスは少なくとも2022年6月から2023年11月までの期間、消費者の勧誘要請がないにもかかわらず訪問勧誘を行い、契約締結の意思確認を怠るなどの違法行為を繰り返していたということです。 特定商取引法に違反するとされたのは以下の内容です。 (1)勧誘の要請をしていない者に対する勧誘(特定商取引法第58 条の 6 第 1 項) (2)勧誘を受ける意思があることの確認をせずに行う勧誘(特定商取引法第58 条の6第2項) 消費者に電話を行った際、勧誘を受ける意思があることを事前に確認することなく、買い取りに関する勧誘をし、「消費者宅で、特定の物品の訪問購入(買取)に関する勧誘を受けること」の承諾を取り付け、消費者宅を訪れていました(以下、電話で了承を得た物品を「物品①」という)。 しかし、物品①に係る買い取りの勧誘についてのみ了承を得ていたにも関わらず、「他にもあるでしょう?見せるだけでもいいので」などと、消費者が求めていない中で迫り、勧誘を受ける意思の有無を確認することなく、物品①以外の物品(以下、「物品②」という)について買い取りの勧誘を行っていました。 (3)契約を締結しない旨の意思を表示した者に対する勧誘(特定商取引法第 58 条の6第3項) 消費者が「売るようなものはない、訪問されても困る」旨の意思表示をしているにも関わらず、「あなたが不要に思っているものを欲しいと言っている人がいる。買い取らせて欲しい」などと告げて、買い取りに関する勧誘を継続していました。 (4)書面の交付義務に違反する行為_記載不備(特定商取引法第58条の8第2項) 物品の買い取りに関する契約を締結した際、契約内容を明らかにする書面を消費者に交付したが、同書面には、クーリング・オフ期間中は消費者側が契約解除できる旨の記載などを行っていませんでした。 (5)物品の引渡しの拒絶に関する告知義務に反する行為(特定商取引法第58条の9) 消費者と締結した、物品の買い取りに係る売買契約に基づいて、物品の引渡しを直接受ける際、相手方に対し、「クーリング・オフ期間中は物品の引渡しを拒むことができる」旨を告げていませんでした。
 
これらの違反を受け、12月24日、九州経済産業局はエコプラスに対し、特定商取引法第58条の13第1項の規定に基づき、2024年12月24日から2025年6月23日までの6か月間、訪問購入に関する業務の一部(勧誘、申込受付及び契約締結)を停止するよう命じました。 加えて、特定商取引法第58条の12第1項の規定に基づき、再発防止策を講ずるとともに、コンプライアンス体制を構築することなども指示しています。また、エコプラスの代表取締役も同期間での業務の禁止を命じられています。
 

コメント

特定商取引法では、クーリング・オフに関する説明義務に限らず、訪問購入(買取)の勧誘方法について、こと細かくルールを定めています。ひと頃見られた、 ・消費者宅を飛び込みで訪問して勧誘する ・了承していないのに、いきなり買い取りのセールストークを始める ・消費者が断っているにも関わらず繰り返し勧誘する などの行為も禁止となっています。 自社で訪問購入(買取)事業を行う際には、関係法令の丁寧な確認と、現場への徹底した周知が必要となります。
 

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