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AIの進歩と今後の課題

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はじめに

鉄腕アトムに代表されるロボットやAIの発展は、昔は夢物語でした。しかし、最近では、韓国でAlhaGOがプロの棋士に勝ち話題になりました。また、日本でも将棋の棋士が将棋ソフトに頼るなど、AIについて夢物語が現実化しようとしています。しかし、技術の進歩は新たな課題を生み出すため、AIについても今後大きな課題が生まれてくることが考えられます。今回は、今後問題となり、かつ企業にとっても他人ごとでは済まされない問題についてまとめてみました。

AIとは

AIとはArtificial Intelligence の略で、日本語では人工知能と呼ばれます。もっとも人工知能の定義には議論の余地があり、大きく二つの立場が存在します。一つは、人間の知能そのものを持つ機械を作ろうとする立場であり、もう一つは人間が知能を使って行うことを機械にさせようという立場です。ただ、いずれにしても人間の仕事を代替できる存在であり、どのように付き合っていくかを考える必要があります。

人工知能って何? 一般社団法人人工知能学会 
知能レベルと実商品例(ビートラックスジャパン合同会社)
 

事例

AIは既に、自動運転、自動交通違反監視、戦闘機での戦闘、弁護士業、医療行為など多くの分野で研究、実用化がされています。

自動車運転(Newsweek)
戦闘機事故回避(businessnewsline)
弁護士アシスタントAI(THE HUFFINGTON POST)
AIによる戦闘(マイナビニュース)
白血病を見抜く(HEALTH PRESS)

研究

このように目覚ましい発達を遂げるAIの進歩ですが、責任の所在、権利関係、プライバシー保護について課題も検討されています。
例えば自動学習を行うAIの行動は、学習機能を組み込んだ本人にも予想ができないと言われ、不法行為における過失の立証を困難にする可能性があります。また、ロボットが発明や芸術作品を生み出した場合の知的財産権の所在、ロボットがカウンセリングを行った場合のカウンセリング内容を見た場合、プライバシーの侵害にならないかなどが具体的な問題として予想されています。

この様な種々の問題について国の検討も始まっています。

人工知能と人間社会のかかわり方について懇談会が行われており、問題点がまとめられつつあります。
人工知能と人間社会に関する懇談会(内閣府)
第五回事例別の検討(PDF)

今後のあるべきAI像について検討が進められています。
AIネットワーク社会推進会議(総務省)
AIの研究開発に関する原則(PDF)
ロボットとAIに係る法的・制度的課題の 検討の在り方について(慶應義塾大学 総合政策学部 教授 新保 史生・PDF)

法的課題がまとめられています。
自動車運転をめぐる法的な課題(東京海上研究所)
AIネットワーク化検討会議(総務省AIネットワーク化検討会議PDF)

おわりに

現状AIの法的課題の検討は十分とは言えず、どうすべきかといったことは誰にも分かりません。一方でAIは日々進歩しており法律の対策は後追いになりがちです。しかし、ロボット新8原則の提唱など大きな方向性はまとめられ始めています。そのような方向性を手掛かりとすることで、リスクの低減や新事業への対応も可能になるのではないでしょうか。


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