はじめに
リーマンショック以降、不景気が続く中、大企業が生き残りをかけた経営統合や合理化の手段として、また後継者がいない中小企業の事業継続の方法として、合併という手段がとられることも珍しくなくなりました。
そこで、今回は企業の合併について、主に手続きを整理する観点からまとめました。
合併とは
複数の会社が、法的に1つの会社となること。
消滅する会社が存続する会社に、権利等をすべて承継して行う吸収合併と、新たな会社を設立し、その会社に権利義務をすべて承継する新設合併とがある。(会社法2条27号、28号)
合併の意義
(出典:J-NET21 中小企業ビジネス支援サイト)
合併を行うメリット
合併のメリット
(出典:U-NOTE)
事業承継の手段としても利用されています。
事業承継と合併
(出典:日本M&Aセンター)
合併の手続き
合併を行うには以下のような手続きを取ることが必要です。
手続概略図
1.合併契約の締結
契約の際には契約書を作成します。以下のような書式を参考にするのが一般的です。
合併契約書書式
(出典:井上&アソシエイツ)
ただ、契約内容は各会社によって異なりますし、保証や賠償についても留意が必要です。
留意点
(出典:クラリスのM&A)
2.株主総会での承認決議、債権者保護手続き
株主総会において、合併契約の内容を説明し、合併を承認する特別決議を取得します。
株主総会についてはこちら
(出典:経営改善ナビ)
また、債権者が不当な損害を被ることの無いよう、債権者保護のための手続きも必要です。
債権者保護手続
(出典:富山綜合法律事務所)
3.反対株主の株式買い取り
会社の合併に反対する株主は、会社に対して株式の買い取りを請求できます。
反対株主の株式買取請求
(出典:富山綜合法律事務所)
4.合併期日
合併契約において定めた合併の効力発生日に、合併の効力が生じます。
5.登記、届出
合併の効力発生日から2週間以内に、会社の変更や解散の登記を行う必要があります。
会社登記について
(出典:奥西司法書士、行政書士事務所HP 登記についてはページの中央あたりです)
また、会社の規模等によっては、公正取引委員会への届出が必要になることもあります。
公正取引委員会への届け出
(出典:公正取引委員会)
以上のほか、場合によっては、より簡易な手続きを取ることもできます。
簡易合併手続き
略式合併手続き
(出典:ともに富山綜合法律事務所)
合併に必要な書類
合併契約書や会社の計算書類など、様々な書類が必要となります。
必要書類
(出典:弁護士法人淀屋橋、山上合同)
合併と税金
会社が合併する際にも、税金がかかります。合併が「適格合併」か「非適格合併」かによって、課税処理も変わります。
(出典:菊池芳平事務所)