1.2016年も6月になり株主総会が開催される時期になりました。そこで、今年開催された株主総会についてまとめました。日本を代表する企業やニュース・紙面を騒がせた企業の株主総会についていくつか選びまとめさせていただきました。大企業が株主総会でどのようなことを議題にするのか。また、紙面を騒がせた企業が株主総会を開催する場合、議題にすることは従来の株主総会と比べて異なるのか。自らが法務担当者として株主総会の開催に関わることになった場合に参考にしていただきたいです。
(1)トヨタ自動車
6月15日に開催されました。決議事項は、⓵取締役11名選任の件②補欠監査役1名選任の件③取締役賞与支給の件、の3つです。3議案すべてが可決されました。
トヨタ自動車定時株主総会招集通知f
(2)ソニー株式会社
6月17日に開催されました。決議事項は、⓵取締役11名選任の件②ストック・オプション付与を目的として新株予約権を発行する件、の2つです。2議案すべてが可決されました。
(3)株式会社東芝
6月22日に開催されました。決議事項は、⓵資本金の額の減少②定款変更の件③取締役10名選任の件④会計監査人選任の件、の4つです。4議案すべて可決されました。なお、剰余金の配当は、取締役会決議により見送られました。
(4)ソフトバンクグループ株式会社
6月22日に開催されました。決議事項は、⓵剰余金の処分の件②取締役7名選任の件③取締役に対するストックオプションとしての報酬等の額および内容決定の件④ストックオプションとしての新株予約権の発行の件⑤グループ内組織再編に伴う子会社株式の譲渡承認の件、の5つです。5議案すべてが可決されました。
2.6月23日以降開催される株主総会は、以下でまとめました。
(1)三菱自動車工業株式会社
6月24日に開催されます。決議事項は、⓵剰余金の処分の件②取締役10名選任の件③監査役1名選任の件、の3つです。
(2)株式会社フジ・メディア・ホールディングス
6月28日に開催されます。決議事項は4つあり、会社提案は⓵剰余金の配当②取締役17名選任の件、株主提案は③定款一部変更の件(株主総会の適法・公正な運営)④取締役選任の件⑤定款の一部変更の件(ROE5%未満時の25年超在任役員の選任理由の詳細説明)です。
株主総会は、会社の最高意思決定機関であり、株主が積極的に会社の経営に参加する重要な機会です。また、株主総会の運営・手続に不備があった場合、株主総会が取り消されてしまいます(会社法831条1項)。したがって、株主総会を開催する場合、企業法務を担当する者は株主総会開催の運営・手続に対して法令順守を特に意識しましょう。