連続勤務の僧侶に労災認定
1 はじめに 和歌山県高野町の高野山の寺院に勤める40代の男性僧侶がうつ病になったのは、宿坊(仏教寺院などで僧侶や参拝者のために作られた宿泊施設)での連続勤務が原因であるとして、橋本労働基準監督署が労災認定しました。今回はこの事件を題材に、労働時間該当性について検討していきます。 2 事案の概要 《当該僧侶について》 ・2008年勤務開始。2015年12月にうつ病を発症し、その後求職...
View ArticleタカタがKSSに事業譲渡、M&A手法の比較
はじめに 欠陥エアバッグ問題で昨年民事再生手続きに入ったタカタは12日、米キー・セイフティー・システムズ(KSS)に事業譲渡を行ない、高田社長も退任した旨発表しました。エアバッグインフレーターに関する一部の事業を除きほぼ全ての資産と事業を譲渡したとされます。今回は事業譲渡を含めた各種M&Aの手法の特徴を比較してみます。 M&Aとは M&Aとは「Mergers snd...
View Articleノーリツ鋼機とナノキャリアが提携、募集株式発行について
はじめに ナノキャリアとノーリツ鋼機、ジーンテクノサイエンスは9日、資本業務提携を行うことを発表しました。ナノキャリアが開発するナノメートルカプセルを使用し副作用の少ない抗がん剤の開発に取り組むとされます。今回は意外に複雑な募集株式発行について見ていきます。 事案の概要...
View ArticleKOFガチャ返金訴訟和解、特商法に基づく表記について
はじめに スマートフォン用ゲーム「THE KING OF FIGHTERS `98 ULTIMATE MATCH Online(KOF)」のガチャ不当表示を巡り、ユーザーが返金を求めていた訴訟で和解が成立していたことがわかりました。原告男性が訴えていた被告会社は運営元ではなかったとのことです。今回は特定商取引法に基づく表記について見ていきます。 事案の概要...
View Articleシェアハウス投資業者のリスク説明について
1 はじめに 長期の賃料収入を保証という触れ込みで不動産業者に勧誘された個人が、不動産業者と賃貸借契約を締結して行う不動産運用方法をシェアハウス投資といいます。...
View Article「堂島ロール」が勝訴、商標権侵害について
はじめに 関西の人気ロールケーキ「堂島ロール」の商標権を侵害したとして「堂島プレミアム」にロゴマークの使用差止と損害賠償を求めていた訴訟で17日、大阪地裁は請求を認める判決をだしていたことがわかりました。ロゴや商品とその価格の類似が認められたとのこと。今回は商標権侵害について見ていきます。 事案の概要...
View Article積水ハウスが阿部会長を提訴せず、株主提訴請求について
はじめに 積水ハウスはマンション用地の詐欺被害に関連し株主から阿部会長に対して提訴請求がなされていた件について19日、提訴はしないと発表しました。被害額は63億円に上るとのことです。今回は役員の会社に対する責任につき、株主からの提訴請求がなされた場合の手続きについて見ていきます。 事案の概要...
View Articleフーデックスに賠償命令、業務時間外の使用者責任について
はじめに 業務時間外の職場の忘年会での従業員同士のトラブルで企業の使用者責任が問われていた訴訟で東京地裁は企業側の責任を認める判決を出していたことがわかりました。会社としては忘年会は禁止していたとのことです。今回は使用者責任の要件について改めて見ていきます。 事案の概要...
View Article愛知県警が「株主総会特別警戒本部」を設置、総会屋と利益供与について
はじめに 愛知県警は1日、企業の株主総会が集中する6月を前に「株主総会特別警戒本部」を設置していたことがわかりました。刑事部長をトップとし捜査員140人体制で「総会屋」をとりしまるとのことです。今回は会社法が規制する利益供与と総会屋について見ていきます。 総会屋とは...
View Article大塚家具、財務担当取締役が退任、役員の任期について
はじめに 大塚家具は7日、財務担当取締役であった杉谷氏が4月30日付で退任していた旨発表しました。理由は健康上の理由とされております。同氏は今年3月の定時株主総会で再任されたばかりでした。今回は定時株主総会に備え、役員等の任期について概観していきます。 取締役の任期...
View Article不当表示の摘発について
1 はじめに 商品や役務を取引する際、企業は広告に当該商品や役務に関する情報を載せます。一般消費者の合理的な選択の妨げとならないよう、表示は適切に行う必要があります。景品表示法(正式名称:不当景品類及び不当表示防止法)は、広告の不当表示を禁止しています。...
View ArticleJPHDが株主からの役員選任提案を受領、社外取締役について
はじめに 保育サービス大手のJPホールディングスは9日、来月開催予定の定時株主総会に向けて株主から取締役選任に関する株主提案を受領していた旨発表しました。提案されている取締役のうち4人は社外取締役とのことです。今回は定時株主総会の季節に備え、社外取締役について見直していきたいと思います。 社外取締役とは...
View Article作業員転落死で書類送検、労働安全衛生法について
はじめに 京都大学附属病院の外壁工事中に女性作業員(19)が転落して死亡した事故で京都上労働基準監督署は10日、建設会社と現場責任者の男性(37)を書類送検していたことがわかりました。事故当時足場の手すりが外されていたとされます。今回は従業員の健康と安全確保を義務付ける労働安全衛生法について見ていきます。...
View Articleリロケーション業者が和解、裁判例に見る瑕疵物件
はじめに 転勤中に貸していた自宅マンションで殺人事件が発生し、資産価値が下がったとして転貸を行っていた不動産会社に約1500万円の損害賠償を求めていた訴訟で和解が成立していたことがわかりました。不動産会社が所有者の男性に570万円支払うとのことです。今回は瑕疵物件とその告知義務について見ていきます。 事案の概要...
View Articleスルガ銀行に警告、検査忌避について
1 はじめに 日経新聞電子版によりますと、シェアハウスへの投資をめぐるトラブルで、問題の経緯を知ると思われるスルガ銀行の行員が解雇されたのことです。この件につき、金融庁はスルガ銀行に対し、「銀行法上の検査忌避になりうる」として、警告を行いました。そこで今回は①金融検査②検査忌避③今後の実務に向けての3点について検討していきます。 2 金融検査とは...
View Article東芝が3000億円減資、資本金等の減少手続きについて
はじめに 東芝は15日、資本金を約3000億円減少させる旨発表しました。同時に資本準備金、その他資本剰余金を取り崩し、繰越欠損金の補填を行うとのことです。今回も定時株主総会の時期に備え資本金、準備金の減少手続きについて見ていきます。 事案の概要...
View Article厚労省が基準を改定へ、パワハラの要件について
はじめに 日経新聞電子版は18日、厚労省の有識者検討会がパワーハラスメントの基準の絞り込みを行っている旨報じました。民事裁判例も蓄積され、これまで示されていた基準をさらに明確なもとなるように改定される模様です。今回は有識者検討会から提言されている改定案の概要を見ていきます。 パワハラとは...
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