会社法改正で新設された「監査等委員会設置会社」とは?
はじめに 4月25日、日本経済新聞電子版は監査等委員会設置会社に移行する企業が6月末までに累計600社に達する見通しであると報じました。急速に導入されている監査等委員会設置会社について見ていきます。 監査等委員会設置会社とは...
View Article大阪の「民泊」逮捕事例と旅館業法改正
はじめに 26日大阪府警は、無許可で大阪市内のマンションなどに外国人観光客らを泊まらせていたとして大阪市生野区内の女らを旅館業法違反の疑いで書類送検しました。外国人観光客が急増する中、それにともなって急激に広がりを見せている民泊の問題点と規制への動きを見ていきます。 改めて、民泊とは...
View Article【法務NAVIまとめ】障害者雇用制度について
1 障害者雇用制度の義務化 従業員が一定数以上の規模の事業主は、従業員に占める身体障害者・知的障害者の割合を「法定雇用率」以上にする義務があります(障害者雇用促進法43条第1項)。民間企業の法定雇用率は2.0%です。 障害者雇用制度の概要 出典:厚生労働省 2 雇用者の雇用に関するマニュアル...
View Article日本ラクロス協会元事務局長の横領解雇にみる「懲戒解雇要件」
はじめに 5月5日、ラクロスの統括団体「日本ラクロス協会」は、同協会の事務局長であった男性が協会の運営費約1千万円を横領したことを理由に懲戒解雇を行ったと発表しました。企業にとって、懲戒解雇は、労務紛争を引き起こしかねない、リスクの高い処分です。どのような場合に従業員を懲戒解雇できるのか、その要件を見ていきたいと思います。 懲戒解雇とは...
View Article【法務NAVIまとめ】総会招集手続き・決議方法まとめ
はじめに 株主総会は株式会社の機関の一つで、株主を構成員とし、株式会社の基本的な方針や重要な事項を決定する機関です。日本の会社法においては株主総会は取締役とともに必要的機関とされています。株主は株式会社の実質的な所有者であることから、会社法では重要な意思決定を株主総会に委ねられています。今回は、株主総会を開催する具体的な招集手続、決議方法等をまとめました。 (参考)株主総会の用語解説 1 招集手続...
View Articleマイナンバー漏洩時に想定される損害
はじめに 今年1月に運用が始まってから4ヶ月余り経過したマイナンバー制度。その制度概要等については以前にも取り上げてきましたが、今回はマイナンバーが万一漏洩した場合に想定される損害等について見ていきたいと思います。 個人の損害...
View Article行政庁の事実誤認で企業名を公表されてしまったら…
はじめに 企業が法律に違反した場合に行政が企業名等を公表する事例が増えています。昨今、法律の条文の中にも罰則に代わり、規定を遵守させるための手段として公表が出来る旨が規定されるようになって来ました。しかし、行政が行う公表が誤った事実に基づいて行われる可能性も否めません。今回は、誤った事実認定に基づいて自社の企業名が行政に公表された場合の権利救済手段について見ていきたいと思います。 公表とは...
View ArticleAI創作物に著作権は発生するのか
政府の知的財産戦略本部は、5月9日、AI=人工知能が作った小説や音楽などの著作権を含む知的財産の保護の必要性や在り方について、具体的な検討を進めることなどを盛り込んだ新たな「知的財産推進計画」を決定しました。 果たして、AIが自律的に創作した音楽や小説に著作権は発生するのでしょうか。 著作権の保護対象...
View Article海外勤務中の労災に労災保険は適用されるか
はじめに 海外勤務を理由に労災保険の適用外とされていた男性の遺族が遺族補償給付を求めていた訴訟の控訴審判決で東京高裁は4月27日、一審判決を取消し原告側逆転勝訴の判決を言い渡していました。今回は、「海外で勤務していた場合に労災保険は適用されるのか」をテーマに見ていきたいと思います。 事件の概要...
View Article「出前館」創業者を金商法違反容疑で捜査、相場操縦行為とは
はじめに 東京地検特捜部はジャスダック上場の宅配サイト「出前館」を運営する「夢の街創造委員会」の創業者の男性(46)から金融商品取引法(金商法)違反(相場操縦)の疑いで任意に事情聴取したことがわかりました。金商法が禁止する相場操縦とはどのようなものか見ていきたいと思います。 事件の概要...
View Article自社の商標を他人に先取りで出願されたら…
はじめに 17日特許庁は自らの商標を他人に先取りで出願されてしまっても出願を断念してしまわないよう呼びかけました。いわゆる「悪意の商標出願」については以前も取り上げられましたが、これがなされてしまった場合でも出願却下や無効審判によって出願の機会が回復する場合があります。今回は悪意の商標出願が却下、無効となる場合を見ていきたいと思います。 悪意の商標出願とは...
View Article定年後再雇用で賃金引き下げは違法?
はじめに 横浜市の運送会社に勤務するトラック運転手の男性3名が、定年後の再雇用で賃金を大幅に下げられたのは違法であるとして未払い差額分の支払いを求めていた訴訟で、13日、東京地裁は請求を認め、引き下げ分の支払いを命じる判決を言い渡しました。これまでに前例の無い画期的な本件判決を見ていきます。 事件の概要...
View Article【法務NAVIまとめ】OEM契約書の注意点
OEM契約で取り決めるべき項目 OEM契約は、自社ブランドで商品を作る意向はあるものの、製造能力がないという企業が、製造能力を有する別の企業に製造等を委託する契約です。 目的、仕様、製品の表示、相互保証…etc. 出典: 契約書生成ツール(OEM基本契約書) 弁護士事務所作成の雛形も参考になると思います。 出典: クレア法律事務所(OEM契約書) 各項目ごとのチェックポイント...
View Article経営判断原則と「取締役の任務懈怠責任」
はじめに 経営破綻した日本振興銀行の旧経営陣に対し整理回収機構が損害賠償を求めていた訴訟で19日、東京地裁は元会長に5億円の支払いを命じました。ずさんな融資判断で会社に損害を発生させた場合に経営陣はどのような責任を負うのか見ていきたいと思います。 事件の概要...
View Articleヤマト運輸と荏原製作所の訴訟に見る「瑕疵担保責任」
はじめに ヤマト運輸が荏原製作所から買い取った土地の土壌に石綿含有スレート片が多量に混入していたとして荏原製作所に約85億円の損害賠償を求めていた訴訟で4月28日、東京地裁は約56億円の支払いを命じました。今回は土地の売買に伴う瑕疵担保責任について見ていきたいと思います。 事件の概要...
View Article東和工業の訴訟に見る男女同一賃金原則
はじめに 富山市の本間啓子さん(64)が勤務していた機械設備メーカー東和工業に対し男女別の賃金制度は違法であるとして差額分約2290万円の支払いを求めていた訴訟の控訴審で、4月27日名古屋高裁金沢支部は約449万円の支払いを命じました。労基法が禁止する男女別賃金について見ていきます。 事件の概要...
View Article株主総会における取締役等の説明義務について
毎年5月後半に企業の法務・総務部門を悩ませている問題は、多くの企業で6月後半に開催される株式総会です。そこで、今回は株式総会のなかでも実務上争われやすい取締役等の説明義務(会社法(以下、「法」という。)314条本文)について検討していきます。 取締役等の説明義務って何...
View Articleブラック企業名を公表、厚労省の新公表基準
はじめに 厚労省は19日、棚卸し代行業「エイジス」(千葉市)の複数の事業所で違法な長時間労働をさせていたとして是正勧告を行っている旨公表しました。今回が初適用となる新公表基準とその問題点について見ていきたいと思います。 事件の概要...
View Article水素水の賞味期限?食品ネット販売と企業の情報提供
はじめに 消費者庁は、23日、4月28日に行われた第5回「食品のインターネット販売における情報提供のあり方懇談会」の議事録を公開した。五回目の開催となる本会では、食品のネット販売を利用する際に必要としている情報、必要な情報をどのように提供してもらいたいかについて、消費者6名による意見のヒアリングがされた。...
View Article