「忘れられる権利」にみるリスクマネジメント
はじめに 7月12日に、「忘れられる権利」を認めない東京高裁決定が出されました。 「忘れられる権利」とは、インターネット上に残り続ける個人情報の削除を求める権利です。インターネットの発展に伴い、個人が気軽に個人情報を発信できるようになり、意識されるようになった新しい権利です。以下、事案について紹介していきます。 事案...
View Article【法務NAVIまとめ】個人情報の漏洩を防ぐために…それでも、漏洩してしまったら
個人情報の漏洩・流出 7月8日、株式会社BookLiveは、同社のアルバムアプリ「リコネ」にて、個人情報が流出した可能性があること及び同サービスの終了を発表し、これに対するお詫びをしました。 同社が調査を実施したところ、一部ユーザーが別の家族の情報(最大38件)を閲覧できる状態となっていたとのことです。 出典:BookLive、家族情報流出の可能性でアルバムアプリ「リコネ」のサービスを終了...
View Articleパワハラ問題を審議する委員会の調査が不十分だとして損害賠償請求
パワハラ問題を審議する委員会の調査が不十分だとして、私立大学の職員が勤務する大学を訴えていた裁判の控訴審判決...
View Article刑事訴訟法改正、日本版「司法取引」とは?
はじめに 今年5月24日に可決成立した刑事訴訟法等の一部を改正する法律(改正刑事訴訟法)が6月3日に公布されました。企業犯罪の摘発に主眼を置いているとも思われる日本版「司法取引」の規定が新設されております。今回は改正概要と司法取引規定について見ていきたいと思います。 改正の経緯...
View Article虚偽求人情報と職安法改正の動き
はじめに 先月3日、厚生労働省は有識者による検討会・「雇用仲介業者等の在り方に関する検討会」の報告書を出し、さらなる「虚偽求人」に対する規制の厳格化・求職者保護の強化との方針を明確化した。 「虚偽求人」とは、企業のHPや求人サイト、求人雑誌等に掲載されている求人情報と実際の労働条件が食い違うことを指す。 虚偽求人」の具体例 ・賃金が求人票よりも低い ・「あり」とされてた社会保障がない...
View Article首都高炎上の運送会社に32億円の賠償命令、使用者責任について
はじめに 2008年に首都高速でタンクローリーが炎上した事故をめぐり、首都高速道路会社が損害賠償を求めていた訴訟で東京地裁は14日、運送会社と運転手に約32億8900万円の支払を命じました。一方で運送委託をした出光興産に対しての請求は棄却しました。今回は不法行為に基づく損害賠償請求と使用者責任について見ていきます。 事件の概要...
View Article海外赴任中の社員の自殺と会社の責任
1、事案の概要 大手塗料メーカー「関西ペイント」(本社・大阪市)の若手社員が5年前、海外出張中に自殺したのは会社側が心身のケアを怠ったためだとして、社員の両親が約1億2800万円の賠償を求めた訴訟が大阪地裁であり、今月7日付で和解したことが分かった。会社側が両親に弔意を表し、解決金500万円を支払う内容。 2、社員の自殺に対して会社はいかなる責任を負うか (1)労災保険制度上の取り扱い...
View Articleサントリーとアサヒのノンアルコールビール訴訟に見る特許要件
はじめに ノンアルコールビールに関する特許を侵害されたとして、サントリーがアサヒビールに対し「ドライゼロ」の販売差止及び廃棄を求めていた訴訟の控訴審で20日和解が成立しました。両社はノンアルコールビールに関する製法特許の有効性について争っていました。今回は特許要件である新規性と進歩性について見ていきたいと思います。 事件の概要...
View Article【法務NAVIまとめ】企業も直面するSNSトラブル
企業とSNS 近年、業務に関わる情報などをSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)に書き込み、企業を巻き込んでのトラブルに発展することが少なくありません。 過去には、職員がSNSに投稿した写真に固定資産税申告書が写り込んでいたり、従業員が有名人の来店の事実をSNSに投稿したり、技術者が新商品などの情報を公開してしまったりする事例などがあり、現在も重大な社会問題となっています。...
View Article国際カルテル防止へ、公取委が海外企業への課徴金を検討
はじめに 日経新聞電子版は21日、公正取引委員会が国際カルテル防止に向けて海外企業に対しても課徴金を課す方向で検討している旨報じました。日本企業が海外企業とカルテルを行った場合に日本企業だけでなく海外企業に対しても独禁法を適用できるのか。今回は独禁法の域外適用について見ていきたいと思います。 独禁法上の課徴金とは...
View Articleセクシャルマイノリティ(性的少数者)と企業の在り方の変化
はじめに 厚生労働省は、6月27日、労働政策審議会の分科会を開き、職場での性的少数者への差別的な言動がセクハラに当たることを、男女雇用機会均等法に基づく事業者向けの「事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき処置についての指針」(いわゆる「セクハラ指針」)に明記することを決めました。...
View Article【法務NAVIまとめ】広告法務のチェックポイント1から10
広告法務とは 商品やサービスの広告には、消費者保護や公正な競争を確保するための様々な法規制があり、刑事罰の定めもあるので注意が必要である。 cf. 広告法務とは? 出典:広告法務・早川行政書士事務所 広告法務の確認ポイント1~10 まず、(1)そもそも広告なのか、(2)どんな販売方法なのか、(3)商品、サービスの種類は何か、によって表示義務のある内容を確認し、...
View Article【法務NAVIまとめ】社員がうつ病となった場合の社内対応
はじめに 職場において過重な業務上の負担や人間関係をきっかけにうつ病となる社員が発生することがあります。この場合の手続について、社内対応を進めるにあたって有益と思われる情報をまとめましたのでご参照ください。 うつ病を理解する うつ病は気分障害の一種であり、抑うつ気分、意欲・興味・精神活動の低下、焦燥(しょうそう)、食欲低下、不眠、持続する悲しみ・不安などを特徴とした精神障害と定義されています。...
View Article西川ゴム工業が134億円支払い、米国反トラスト法について
はじめに 西川ゴム工業は20日、米国内での自動車シール部品の販売に関して反トラスト法に違反したとして米司法省に1億3千万ドルの罰金を支払う合意をしました。今回は米国の独占禁止法に当たる反トラスト法について見ていきたいと思います。 事件の概要...
View Article【法務NAVIまとめ】懲戒処分にあたっての手続き
懲戒処分をするには? 懲戒処分が適法とされるためには、懲戒事由に該当する必要性と処分内容の相当性を要する(労契法15条)。 懲戒処分に関して違法性があるかについて、最高裁は、使用者の裁量権による処分が社会観念上著しく妥当を欠き、裁量権を濫用したと認められる場合に限り違法であると判断する。 神戸税関事件(最判昭52年12月20日)...
View ArticleFinTechを取り巻く法規制-仮想通貨-
はじめに ITを武器にユーザ目線の新たな金融サービスを提供する”FinTech(フィンテック)”が日本でも大きな注目を集めている。 話題のFinTechへの注目を加速度的に高めるきっかけとなったのは,ビットコインをはじめとする仮想通貨の登場である。...
View Article【法務NAVIまとめ】リコールと製造物責任(PL)法
はじめに 今月21日、ダイハツ工業は、同社の軽乗用車「タント」の部品に腐食の恐れがあるとして、リコールを国土交通省に届け出ました。 自社製品について、販売後に欠陥が見つかった場合、企業はどのような責任を負うのでしょうか。 今回は、製造物責任(PL)法について検討します。 PL法の概要...
View Articleハマキョウレックス訴訟に見る労働条件格差
はじめに 正社員と契約社員で賃金や手当に格差を設けるのは違法であるとして、物流大手「ハマキョウレックス」の契約社員が格差の是正を求めていた訴訟の控訴審で26日、大阪高裁は手当の格差を一部違法と認めました。今回は、「正社員と契約社員で労働条件に差を設けることができるのか」について見ていきたいと思います。 事件の概要...
View ArticleTDK・日本発条による価格カルテル報道 ~カルテルとは何か~
先日、大手電子部品メーカーの「TDK」と自動車部品メーカー「日本発条」との間で価格カルテルが結ばれている可能性があると報じられました。 公正取引委員会は、この2社に対して、立ち入り検査を実施しているとのことです。 NHKニュース カルテルという言葉は、比較的聞きなれたものと思われます。...
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